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戦争のない平和な21世紀のために
ハーグ平和アピール市民会議
世界各地から700団体・8000人が参加
1899年の第1回ハーグ平和会議100周年を記念して、オランダ・ハーグ市で5月12日から15日までの4日間の日程で、非政府組織(NGO)主催の「ハーグ平和アピール市民会議」が開催された。
日本からは、広島・長崎の被爆者をはじめ原水禁、連合や「ピースポート」などの市民グループ、広島、長崎両市長ら約400名が参加した。原水禁は、連合や核禁会議と合同代表団を結成し、会場の内外で、特に「核兵器廃絶」のためのアピールを行った。
100年前の第1回平和会議は、当時のロシア皇帝(ニコライ2世)がよびかけ、オランダのウィルヘルミナ女王の協力を得て開催された。この会議は、ある意味で画期的なものとなった。それはこの会議が、特定の戦争の解決のためではなく、軍縮。戦争の防止、紛争の平和解決のための恒久的国際法を創り出すことを目的として開催されたもので、このような国際会議が開催されたのは史上はじめてのことだった。(しかし皮肉なことだが、この平和会議から5年後に日本への宣戦布告「日露戦争」に署名したのも、この皇帝である)
その後、
1907年には第2回平和会議が開催され、この2回の会議によって、国際人道法の基礎がつくられた。現在ハーグにある「国際司法裁判所(ICJ)」は、この会議で決定された常設国際司法裁判所が引き継がれたものである。また「非武装都市の攻撃禁止、不必要な苦痛を与える兵器の禁止」が盛り込まれた原稿のハーグ陸戦法規もこの会議で改正されたものである。96年に出されたICJの「核兵器の使用は一般的に国際人同法に反する」との勧告的意見でも、ハーグ陸戦法規が重要な根拠になったといわれている。
その後1915年に第3回会議が提案されたが、第1次、第2次の相次ぐ世界大戦によって開催できず、今日に至っていた。
今回の会議は、1997年国連総会でオランダ・ロシアの両政府によって提唱された「第1回国際平和会議の100周年行事」を支持する決議を受けて開催される予定のふたつの会議のうちのひとつとして開催された。
今回の「ハーグ平和市民会議」は、その名のとおり世界100ヶ国以上から700以上のNGO組織、約8000人の平和運動家が集まって開催された。
そして、先にも述べた「核兵器使用に対する」国際司法裁判所の勧告的意見をださせるまでのさまざまな運動、対人地雷禁止条約の達成や国際刑事裁判所設立条約採択などに大きな役割を果たしてきたNGOの力によって、この会議は主催され、準備されてきたということである。
市民が行動の中心に ハーグ・アジェンダを採択
今回の会議では、「戦争のない平和な21世紀のために」をメインテーマとし、4本の柱、「1.軍縮と人間の安全保障 2.武力紛争の防止、解決、平和転換 3.国際人道法・人権法と制度 4.戦争の根本原因と平和の文化」に沿って討論が行われた。
会議は、12日午前9時からの開催総会に始まり、その日の午後から14日の夜7時まで開催された分科会で討論を深め、第4日目の午前閉会総会で「21世紀の平和と正義への課題」(ハーグ・アジェンダ)を採択し終了した。
特に、会議中の討論をまとめたものとしてハーグ・アジェンダの中に「各国議会は、日本国憲法第9条のような政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」を第1の柱とする「公正な世界秩序のための10の基本原則」(後掲参照)が盛り込まれた。このハーグ・アジェンダは、5月17日から19日に開催される「フレンド99」(100周年を祈念する国連会議)ならびに「国際法10年」が終わる11月17日の国連総会に提出される予定であり、閉会総会で、各国の若者たちの手によって、アナン国連事務総長に手渡された。
閉会総会は、軍事政権の厳しい監視下にあり、この会議に出席することのできなかったアウン・サン・スーチーさんのメッセージが、ビデオ上映され始まった。檀上からは最初に、コラ・ワイスさん(ハーグ平和アピール国際会議会長、国際平和ビューロー副会長)が「私たちは、誰もただひとつの大きな家族のメンバーです。平和と正義のためにともに活動しよう」と訴えました。そして南アフリカのデスモンド・ツツ大司教など4名のノーベル平和賞の受賞者など、多彩な顔ぶれが次々と登壇し、アピールを行った。また、オランダ外務大臣、スウェーデン副首相アイルランド外務大臣など各国政府代表もスピーチを行った。
15日の閉会総会では、ウィリアム・ベース(ハーグ平和アピール会議事務局長)が、「700を超えるNGOが集まった。今世紀は、最も戦争と紛争の多い世紀であり、平和への新たな戦略を打ち立てて、21世紀の平和にむけて、市民を中心として行動を起こそう」と呼びかけた。コフィ・アナン国連事務総長も「我々が行わなければならないことは、未来の人類に同じ過去の過ちを繰り返さないようにすることだ」と訴えた。地雷禁止条約の成立に大きな力を発揮したジョディ・ウィリアムズさん、世界各国の先住民族の代表、オーストラリア、ザンビア、クロアチア、インド、イギリスの若者たち、そしてシーク・ハシナ・バングラデシュ首相、デム・コック・オランダ首相、ヨルダンのノール女王など多彩な人たちが、相次いで「21世紀に向けた平和と正義のためのハーグ・アジェンダ」を支持し、そのための行動を起こす演説を行い、会場からは大きな拍手でこれに応え、あらたな決意を固めあいながら、ハーグ市民平和集会を終えた。
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